2012年3月22日木曜日

【翻訳】SketchUp Proケーススタディ:NHS ウエスタンアイルズ病院

GreenspaceLiveはスコットランドのルイス島を拠点とするソフトウェアとコンサルタントの会社です。Lews Castle CollegeとUniversity of the Highlands and IslandsのCO2排出量を抑えた建物と再生可能なエネルギー研究プログラムを手がけたGreenspace Researchの別会社として、2008年に設立されました。今回のケーススタディは、GreenspaceLive社のテクニカルマネージャー兼エネルギーエンジニアであるDonald Macaskill氏が手がけた、gbXMLをベースにしたSketchUpでエネルギー分析をするSketchUpプラグイン、gModellerについてお話します。

病院のエネルギー効率を上げる

病院は照明や暖房だけでなく、換気や消毒、洗濯や食事の準備、電気を必要とする重要な医療機器など、独特のシステムのために24時間常にエネルギーが必要とされます。建物の技術が向上するとエネルギーにかかる料金が劇的に下がるので、別のところに予算を回せるようになります。

NHS ウエスタンアイルズトラストは他に先駆けてエネルギーコストとCO2排出量を抑える試みを行ってきました。エネルギー消費量とCO2排出量の基準値を設定し、広大な建物に使われる多くの建材や技術の向上を図るためにGreenspaceLive社に協力を要請しました。病院のモデルとエネルギー分析のワークフローはGoogle SketchUp ProとGreenspaceLive社のgTools suiteで作成されました。


gModellerでの完成モデル

プロジェクト手順

まず2D CADモデルとスキャンした製図はgWorkspaceで共有されます。平面図をGoogle SketchUp Proにインポートして立体化します。gModellerプラグインでは詳細なモデルは必要ありません。モデルはシンプルに、壁や床、屋根は片面になります。

この作業の後、gModellerでマテリアルのカスタマイズができるようにモデルに属性が追加されます。次にマニュアルスペースツールでスペースを確認し、モデルに区間ごとに暖房や照明、空調などの情報を追加します。

完成したgbXmLモデル

gModellerで作成したgbXMLの建物情報モデルは、エネルギー分析エンジンにエクスポートできます。今回のケースではgEnergyを使用しますが、エクスポートされたモデルは Green Building StudioEcotectTraceDesignBuilderや他のソフトにインポートされます。gEnergyは最初に病院で現在使われている建材や技術を評価し、次に改築案でどのくらい性能が向上するかシミュレーションを行います。

gEnergyで一連の動作が完了すると、モデルはGoogle Earthにエクスポートされてクライアントに提示できるようになります。gDashboardのエネルギー結果もGoogle Earth上でモデルと一緒にスクリーンで表示します。


Google Earthでのモデルとエネルギーデータ

gWorkspaceクラウドプラットフォームを使用すると、モデリングチームはクライアントとモデルを共有して、作業の途中でも確認できます。チームのメンバーとクライアントの代表はファイルをダウンロードして確認し、改修後のエネルギー効率もチェックすることができます。

結果

NHS ウエスタンアイルズ病院は最初とは異なるシナリオでモデリングを行う場合でも、ツールとデータを利用して変更の影響をすぐに確認できました。この結果暖房システムに多くの変更を加え、チームはエネルギー消費量を50%以上、CO2排出量を80%削減することに成功しました。

NHS ウエスタンアイルズ病院のエネルギーチームのメンバーであるDave Tierney氏は、
「ツールを使うことで、上級管理者とスタッフはCO2の排出とエネルギー消費、そして建物に使われる技術と建材の影響を確認することができました。CO2排出量を抑える技術を使用した場合とそうでない場合をわかりやすく比較できます。CO2削減やエネルギー計画で今後役に立つでしょう。」
と話しています。

gModellerとgTools suiteについてもっと知りたい方はGreenspaceLive社のサイトをご覧ください。無償評価版もサインアップできます。お話いただいたDonald氏とGreenspaceLive社の方々に感謝します。

投稿:Chris Cronin、SketchUpセールス
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