2015年7月3日金曜日

SketchUp(3Dモデリング)に適したPC

SketchUpでのモデルの作成、そのモデルを利用したレンダリングや動画の作成にはどのようなPCを使用したら、最適なのでしょうか?
PCの性能にはCPUやメモリ容量またはGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)などが影響しますが、利用するアプリケーションによって要求されるスペックが異なってきますのでなかなか評価は難しいと思います。
SketchUpの操作にはOpenGL対応のGPUが必要とされていますが、最近ではオンボードのグラフィックの性能もかなり上がっているので、オンボードのグラフィックでどの程度対応が可能なのかは弊社でも興味を持っていました。
今回はエムエスアイコンピュータージャパン株式会社(通称MSI)より、最新GPU(NVIDIA Geforce GTX900番台)を搭載したノートPC3機種をお借りし、GPUの違いによってどのようなフェーズで差が出るのかをテストしてみました。

今回のテスト対象3機種


テスト機01. GT80 2QE-051JP
OSWindows 8.1-64bit
プロセッサ:Intel® Core™ i7-4720HQ CPU @ 2.60GHz
メモリ:16.0GB(8GBx2) DDR3-1600 SO-DIMM
ストレージ:SuperRaid3 512GB SSD +1TB HDD
グラフィック:NVIDIA® GeForce GTX 980M SLI構成

18.4インチ フルHD。最新のGTX980Mチップがダブル搭載され、デスクトップPCの性能を凌駕し、ノートPCでは史上最高のグラフィック性能を実現しています。




テスト機02. GS30 2M-030JPG-Dock付)
Dock内グラフィックカード使用製品
       PC本体はIntel Graphicsを使用
OSWindows 8.1-64bit
プロセッサ:Intel® Core™ i7-4870HQ CPU @ 2.50GHz
メモリ:16.0GB(8GBx2) DDR3-1600 SO-DIMM
ストレージ:SuperRaid 256GB SSD
グラフィック:
G-Dockを装着しない場合 
(Intelベース)Iris Pro グラフィックス
   5200
G-Dockを装着した場合 
  NVIDIA® GeForce GTX 970

薄さ19.88mm13.3インチで質量わずか1.2kgの軽量ゲーミングノート。拡張ボックス『G-Dock』が付属されており装着を行うことでデスクトップPCと同程度のグラフィック性能を出すことが可能です。

今回はオンボードのノートPCとしての性能をテストするため、「G-Dock」の装着は行わずテストを行いました。



テスト機03. GE62(技術サンプル)
OSWindows 8.1-64bit
プロセッサ:Intel® Core i7-4710HQ CPU @ 2.50GHz
メモリ:16.0GB(8GBx2) DDR3-1600 SO-DIMM
ストレージ:SuperRaid 256GB SSD + 1TB HDD
グラフィック:NVIDIA® GeForce GTX 970M

15.6インチ フルHD970Mグラフィックが最高画質のイメージと高パフォーマンスを実現しました。
(今回お借りしたのは技術サンプル機ですが、 市販品であるGE62 2QF 4K-068JP970M搭載、GE62 2QD-023JP960Mを搭載しています。)



SketchUpの動きは…

今回モデル全体が大きく、ポリゴン数も多数ある都市景観用モデルを使用してテストを行いました。
ファイルサイズ:157MB
全体の大きさ:約500m×500

SketchUp操作感や処理時間はモデルのポリゴン数によるため、同等のファイルサイズのモデルでも今回のテスト結果とは使用感が異なる場合がございます。)


ウォークスルーなどの操作感は3台とも快適そのもので、大幅な移動を伴うようなシーン切り替えを行った際の動きもスムーズです。ワイヤーフレームになるなど、表示がバラつくこともありませんでした。今回注目しているのは、グラフィックがCPU内蔵のGS30 2M-030JPです(テスト機02)。このマシンはインテル Iris Pro 5200を装着しています。軽量で薄いCPU内蔵グラフィックス製品に関わらず、他の2台の高性能GPU搭載のマシンに引けをとらないパフォーマンスが実現されています。

今回グラフィックの性能のテストでは、
 ①SketchUpで設定したシーンを動画にする「アニメーション出力」時間
 ②ウォークスルーツールのB-Walker(skpファイルがインポート可能)での動画出力時間
※B-Walkerは現在販売されていません。
の計測を行いました。

テストの結果は以下の表の通りです。



SketchUp
アニメーション出力時間
B-Walkerの動画出力時間
*.mp4 1080 
Frame 24 出力
YoutubeHD 出力
AVCHD19201080
出力
テスト機01
20分程度
6分程度
12分程度
テスト機02
27分程度
10分程度
15分程度
テスト機03
21分程度
5分程度
12分程度


オンボードであるマシンを含めて、デスクトップパソコンと同等といえるほど短い時間で出力できました。
※SketchUp、B-WalkerどちらのアプリケーションもCPU側でも処理を行っているため、純粋にGPUの性能が影響した結果とは言い切れません。

今回のテストで最近のNVIDIA® GeForce GTX 970M、980M搭載のマシンの処理は驚くべき速さで、快適さを体感することができました。(当社テストモデルによる感想です。作成するSketchUpモデルにより操作感は異なります。) また、オンボードであるGS30 2M-030JP(テスト機02)に搭載されたインテル Iris Pro 5200に関しては、他の2台のマシンのグラフィック性能に引けをとらないことが確認できました。今までintelベースHD Graphicsを使用していたグラフィックスカード(いわゆるオンボード)ではSketchUpが快適に動作しない可能性が高いとされていましたが、性能が2倍になったIris Graphicsを搭載したマシンの使用によりこの条件が変わってくるかもしれません。

今回検証した3機種はゲーミングノートでビジネス用のワークステーションとは異なります。しかしながら、性能及び価格においても引けをとりません。取引先や海外出張にPCを持ち歩く機会の多い弊社の担当者はすでにMSIの実機を導入し、外出先でもSketchupをストレス無く使用しています。 近い将来、SketchUpを活用したプレゼンテーションや出張先でSketchUpを使用する際、大きくて重いグラフィック搭載のPCを持ち歩く必要がなくなるという可能性を大いに感じることができました。

関連製品:YodobashiAkiba、PCショップArk、Sycomなどでお求め頂けます。
GT80 2QE-096JP 
GT80 2QE-051JP 
GE62 2QE-023JP 
GE62 2QE-091JP 
GE72 2QE-033JP 
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