2011年6月21日火曜日

【翻訳】SketchUpでの個人製作:入門書

メーカー・フェアの記事を更新後、たくさんの熱心なSketchUpモデラー達が自分たちのデジタルモデルが紛れのない本物の物体になると大興奮、個人製作についてたくさんの反響がありました。このアイデアはワクワクしますが、実際に「アイデアを形にする」過程はなかなか大変です。今回入門書を作りましたので、SketchUpが多少わかる方なら参考になると思います。

はじめに
個人製作には(少なくともSketchUpでは)基本的に2種類あることを理解してください。
技術が完全に異なり、それぞれ特定のオブジェクトに適しています。どちらを選ぶかは何を作りたいかによって決めてください。

2D CNC(コンピューター数値制御)製作

2D CNC 製作は構成要素をパーツごとに切って平らなシートに出力する方法です。
平らなピースはスロット(組立て用の穴や溝)や締め具、糊などを使い人の手で組み立てて立体にしなければなりません。この方法はきれいに全て組み立てられるパーツ一式をデザインできるかどうかが重要です。実際に2つのモデルを製作することになります。一つは完成図(Image 1)、もう一つはカットするピースを横に並べた図です(Image 2)。


Image 1: パーツを組立てた完成モデル。
このモデルはメーカー・フェアで使用されるJohn Bacus氏のロボットのデザイン


Image 2: 2番目に必要なカットするピースのレイアウトモデル
構成要素の数でコストが決まるので、コストダウンには効率が良いデザインが求められる。
右のレイアウトは左のモデルを真上から見たところ(透視図法をオフにしている)。


完成したロボットにレンダリングをかけている。
今回のモデルは異なる半透明の色のアクリルシートを数枚使いカットされた

CNC製作のコストは一般的に2つの要素で決まります。素材のタイプと素材の量です。これによりカットシートをできるだけ効率的にデザインしなければなりません。

CNC製作についてもう一つ。カット方法は機械によって異なります。レーザーを使うものや、水、金属片を使うものなどがあります。カット方法によりそれぞれ切り口や裁断幅が異なるので(下図Image 4参照)どのカット技術を使えばよいかを知ることは重要です。カットシートのデザイン時にはこれらのことをよく覚えておいてください。


Image 4: 切り口はどの機械を使っても必ず発生する。
レーザーはほとんど切り口が発生しないが、CNCルーターはかなりの幅の切り口ができる。

もしCNCハードウェアの購入を検討中でしたら、ShopBotを一度ご覧になってください。この機械はメタルルーターの種類が豊富で、主に木工用に作られています。
一方で、自分のモデルをカットして配送してくれるサービスをお探しでしたら、Ponokoのサイトをよくご覧になってください。よくデザインされ、初心者に親切で良心的な料金設定です。2DカットシートファイルをPonokoに送るときには、Google SketchUp Proを使ってEPSファイルをエクスポートする必要があります。Ponokoの「2Dデザインのヒント」のページは素晴らしく役に立つものです。

3Dプリンティング

3Dプリンティング(積層造形とも言います)は土台の上に材質を吹きかけて造形します。
3Dの形が完成するまで、底辺から上に向かってレイヤーが「プリント」されます。3Dプリンターにはプラスチック、樹脂、粉末(固形に固められる)や金属を使うものがあります。プリンターはモノクロやマルチカラーに対応するものがあります。


Image 5: どのプリンターを選んでも、始めのステップは立体模型を作成します。工程を少し省略して説明します。


Image 6: 3Dプリンターは立体オブジェクトを作成するために何層ものレイヤーを作ります。
一時的に浮いてしまう要素は湯口や他の型のサポートが必要なことがあります。しかし上の図には見えないようになっています。


Image 7: SKPRbotの3Dプリントのレンダリング。これは一種類の素材しか使っていないためモノクロですが、専用の機械を使えばマルチカラーの出力も可能です。

一般的に、3Dプリントの価格はプリントする物体の物理サイズによります。プリンタの大きさは最高でも電気の傘くらいです。高価に見えそうな素材(ステンレスシートのような)を選んでください。しかし樹脂やプラスチックでプリントされたもので、手の平サイズの大きさのものは思いのほか経済的です。

いくつかの機械はメインの素材と補助素材(ワックスが多いです)が相互に接続されて出力し、補助素材で出力される動くパーツは空間が発生します。全ての立体が出来上がると、補助素材が溶け出して、メインの素材が残ります。この方法は玉継ぎ手やねじ部のような、結合部がきっちり締まる試作品を作る素晴らしい方法です。

3Dプリンタで出力できるようにSketchUpで気をつけることは固体性です。3Dプリントは固い素材から作られますが、一方で全てのSketchUpモデルは全面的に引っ張ったり窪ませて造形されます。熱心なSketchUpユーザーはどうすればいいでしょうか?

答えは固体を考慮できるモデルを作ることです。ソリッドモデルは(SketchUpに関しては)完全に囲まれています。もし水を入れて振っても絶対にこぼれません。幸いにもSketchUpには最近追加された特徴の一つである、個体性のチェッカー機能があります。エンティティ情報のダイアログボックスでグループやコンポネントが固体であるかをチェックすることができます(下図のImage 5をご覧ください)。
このことに関して(それからSketchUp Pro8のソリッドツールについて)は去年のブログ記事(訳者注:記事は英語です【動画あり】)で詳しく読むことができます。

自分でプロ仕様の3Dプリンターを購入する場合は、いい車を1台買うくらいの値段を見込んでください。高くて買えない方(私もです)には趣味用の機械で、比較的手頃な値段で自分で組み立てられるものがあります。RepRap projectの関連商品で、よく知られている商品ユニットはMakerBot Industriesで販売されています。1500ドル以下で自宅で個人製作が可能です。熱狂的なコミュニティはSketchUp(と他のソフト)をオンラインワークフローに導入しようと工夫しています。きっと素晴らしい時を過ごせるでしょう。


MakerBot industriesのThe Thing-O-Maticは全部で$1299です。
青いウサギは値段に含まれていません。

そこまでDIY思考でない人たちには、たくさんの素晴らしい3Dプリントサービス業者があり、実際にアウトプットするビジネスを請け負っています。あなたがすべきことは3Dモデルデータをアップロードして、アウトプットされたものがメールで届くのを待つだけです。Ponoko(CNCカテゴリーでも紹介しました)も業者の一つで、彼らのSketchUpワークフローはシンプルでわかりやすいです。

もうひとつの素晴らしい業者は i.materialiseです。この会社の3Dプリンタは人間の等身大の大きさのものが出力でき、経験が豊富で試作が速く、人工心臓弁の試作も行っています。この会社は本当に素晴らしいです。さらに良いことには、できるだけ簡単に3Dプリントが行えるSketchUpプラグインが提供されています。
追記:3Dプリントサービス業者をお探しならwww.shapeways.comもチェックしてください。作成方法がSketchUpと似ていますよ。
これからもこのブログに個人製作の方法をアップしたいと思います。引き続きこのブログをチェックしてくださいね。

投稿:Aidan Chopra、SketchUpエバンジェリスト
原文はこちら
【訳者注:紹介されている業者は全て海外の業者です。】